LIVE8 ほっとけない世界のまずしさ
「いま世界では3秒にひとり、子どもが貧困から死んでいます。今地球の人口は64億人、そのなかで1日1ドル以下の生活をしている人は12億人、満足な食事にありつけない人は7億9000万人、きれいな水を飲めない人は10億人以上、読み書きのできない大人は8億6000万人。」
現実だ。そして僕らは、同じ地球に住むものとして、その現実に何らか関わっている当事者でもある。さらに...
もし日本が政府開発援助の国際目標値であるGNIの0.7%をいま達成できたら(現在0.19%;2004)、「極度の貧困」にある人々のうちの6億人が貧困状態から脱することができるという...これは「極度の貧困」にある人々の半分。 先進国の国民ひとりあたり週100円強のお金で、G8の国の援助総額は500億ドル増額することができる。G8の国が軍事費・防衛費に使っている額は、その10倍以上。 日本が開発援助に使っている学は、農業補助金(約4兆8000億円)の1/5である。 香水の消費額(年間150億ドル)は、サハラ砂漠以南へのG8諸国の援助合計額よりも大きい。
(LIVE8 報道発表資料より)
LIVE8は、そういった現実を知る、知らせること、さらに6日から始まるG8首脳陣へこの状況の改善を訴えること、その一つのテーマのために世界各地で有名なアーティストたちが集う世界同時ライブパフォーマンス。LIVE8 TOKYO は昨日14時から幕張メッセで開かれた。ほとんど宣伝らしい宣伝もせず、短期間の準備にもかかわらず、多くの人々が集まった。その目的に賛同するものがつけるホワイトバンド。この日、世界中で同じホワイトバンドをつけた人々が熱狂した。そしてその熱狂の後、幕間に流されるメッセージ・ビデオが世界の貧困、救われない人々、今ココにいる僕らとの格差を映し出していた。
(写真 © Live 8)
こういった試みには様々、批判が多い。偽善だとか結局、商業活動だろ、とか...。でもBjorkが記者会見で語ったように、もしかして、こうした活動を行っても大きな変化は起こらないかもしれないけれど、もしかして変わるかもしれないという希望があるのであれば、その希望のためにトライする価値がある。この機会がなければ、世界で起こっている貧困なんて考えもしなかった人たちが、何か感じ、知り、考える、きっかけになったとしたら、それはすばらしいことだと思う。
最後のDoAsInfinityが演奏を終え、すべてのプログラムが終了した後、小さな子どもたちを含むエイズ感染者(大半はすでにこの世にはいない)のメッセージビデオが流れたのだが...
観客たちは最後まで帰らずに静かにそれを見ていて、HIVに感染した子どもたちが歌う最後のシーンが終わったそのとき、一瞬の静けさの後、大きな拍手が起こった。この日、一番感動したことだ。
今起こっている世界の中の貧困、格差...もしかしたら変えられる、良い方向にただすことができるかもしれないこと。
一人一人が、こうした事実を周囲に知らせるメディウム(媒介者)になること。僕のブログはちっぽけだけれども、こうして昨日のこと、考えたことを伝えることで、何かを感じてくれる方が一人でもいれば、うれしい。僕の子どもたちにも伝えようと思う。
●
ほんとは、すばらしかったBjorkのパフォーマンスとか書ければ好いんだけど、このあたりはBjorkオタクのknl氏におまかせ。;)
今回、一緒にプレスルームに入ったブロガーのみなさま、ありがとう。エントリー楽しみにしています。そしてこうした機会を与えてくださった多くの方々に感謝不尽。
Comments