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2008.12.11

ブラウザでQuake!:Google Native Client

Cのネイティブコードをブラウザ上で動かすというプロジェクトGoogle Native Client がGoogleから登場。実行環境とブラウザのプラグイン、コンパイラツールがセットでオープンソースで提供されている。MSのActiveXのGoogle版といったところ。

いくつかのデモを動かしてみた。現状、firefox,safari,Operaにプラグインはあって。インストールもされるのだが、いまのところ、FireFox on MacOSXでしか動作は確認できていない(safariはプラグインはあるがロードできない状況)。
デモの中に一世を風靡し、いまやオープンソースになったQuakeをブラウザ上で動かすというデモがあったので、ちょいと動かしてみたのが、下記の動画。ロードやセーブ、マルチプレイはできないが、音もでるしまったく動作は問題ない。マウスでも操作できる。下記はローカルで試したのだが、ホスティング先でQuakeのバイナリとデモの画面をアップしてネットワーク越しでも、ちゃんと動くことを確認した。これは素晴しい。

ネイティブコードが動くというと、ActiveX同様、セキュリティの問題とか起りそうだが、そのあたりは、Googleも慎重にプロジェクトを進めるのだろう。これからが楽しみなプロジェクト。要注目。        

2008.12.08

蛸壺を制す:第2回SBM研究会

6日土曜日は、はじめてSBM(ソーシャルブックマーク)研究会へ参加。

当日の模様はP2Pライブ配信システムで同時中継されたほか、当日の配布資料メモはさまざますでにネットからみつけだせる。いい時代だ。

すべての講演内容は、なにかしら考えるきっかけを与えてくれるものだったし、ボランティアながらすばらしい会場運営のおかげで、たくさんの人を集めたにもかかわらず、非常に良好に会が進行された。西谷さんを初め会場に運営に関った方々に感謝。

私自身、一番おもしろかったキーワードが、大向さんがTwitterでつぶやいた一言。

(自然発生的)蛸壺を(人工的)蛸壺によって制す

大向さんの講演の後、御本人とお話して、大向さんの会社グルコースのCommunity Bookmark 4dk(ヨンドケ)の話題になり、蛸壺はけっしてよくないことではない、むしろたくさんあって結構、ただ、蛸壺が見えなくなる状況はよくなくて、それがあることがなんとなく外にわかる、気配を感じるそんな仕組みができたら最高だ…みたいな話をしていて…

まさに、自然発生的な蛸壺は、人工的な仕組みによって、オープンなきっかけを生みだす交流(蛸壺)となって、コミュニケーションの核になる。そんなイメージを具現化する試みが、4dkだけじゃなく、さまざまでてくることに期待しているし、僕もなんらかその動きに関れたらありがたい。

各事業者もさまざま、次の一手を考えているようだ。アカデミックな立場からも、ソーシャルブックマークは様々注目を集めている。次回はいわゆるソーシャルな部分で、事業者をまたがってデータ共有するフォーマットがありえるとしたらとか、興味深いテーマが用意される模様。利害が生じる当事者が集るこのような機会をうまく利用し、まさにソーシャルな部分で協力し合うなんて、素晴らしい。次回も楽しみ。

2008.12.07

荒野へ:Into The Wild.

第2回SBM研究会の後、懇親会は出席せず、以前見逃して、見たいと思っていた「イントゥ・ザ・ワイルド」を見に行く。

Into-the-wild-1.jpg「自分探しの旅」とかあるけど、この映画の主人公が行った「旅」は、ちょっと違うような気がした。自分捜しの旅、映画もそんな謳い文句だった気がするけど、むしろ明確な目的をもった冒険に近い。

親子の葛藤、近しい人と別れ、近代的なシステムを拒絶し、独りになることを望んだ旅の終りに、主人公が気付く幸福であることの条件は、矛盾していて悲しいが、そこに辿りつく過程で巡りあった人たちとのエピソードが実にいい。なかでも若者が老人を諭し、前向きにかわっていく、フランツ老人との対話が印象に残る。

心象風景が作品に重みを加え、なにより映像が美しい、音楽もいい。キャスティングも見事。クリステン・スチュワート、かわゆす。ショーン・ペン監督、流石。

10年以上前に起った実話であり、決してハッピーエンドではないけど、生きることに力を与えてくれる映画。おすすめ。(僕らのミライの逆回転と並んで今年の洋画ベスト、いまのところ。;)


"オリジナル・サウンドトラック“イントゥ・ザ・ワイルド”" (エディ・ヴェダー)


"自分探しが止まらない (ソフトバンク新書)" (速水 健朗)

"荒野へ (集英社文庫)" (ジョン クラカワー)

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