« チェルシー*ガーデン配信中:JW MEDIA PLAYERを使う | Main | SecondLifeの可能性:Watch the World(s).星月夜の世界 »


2007.07.28

これは現在である:東京大学[ノイズ文化論]講義


"東京大学「ノイズ文化論」講義 宮沢章夫

これは現在である。
 私はできるだけ、それを陽気な態度で語ろうと思った。軽やかな声で話そうとした。おもしろい話として伝えたかった。そうでなければやりきれない。

 通勤電車の中で、読み終えてしまうのがもったいなくて、ゆっくりとゆっくりと噛みしめながら読み進めた、宮沢章夫氏の講義録、東京大学[ノイズ文化論]講義 を昨日読み終えた。前作の[80年代地下文化論]講義も必読の部類の書物だが、これもまさに、今を生きる、考える人たちの必読の書だと想う。
 排除され、嫌悪される〈ノイズ〉の可能性を見つめる、いま、ここでおこっていることを解き明かす過程。前回は一人語りで講義が進んだが、今回は何人かのゲストとの対談が用意された。岡田斗司夫、原宏之、土屋敏男、巻末に足立正生の対談が収録されている。中でも岡田斗司夫氏との掛け合いが実におもしろい。噛み合っていないような、いるような...思想の根底で繋がっている、そんな感じで、���から両者を読者として知るものとして、この組み合わせが実現するなんて想ってもみなかったから....。◎
 現在の生きづらさの意味、排除されるもの・ことのことを想い、逆に排除する側にもいるかもしれない自分の立ち位置を確認する、重たい作業、故、軽やかに楽しく語っていく。異形なもの、排除されることたちへの優しいまなざしが、軽やかに、陽気に語らざる得ない、重たい現実を思い起こさせて、それが僕に突き刺さった。あきらかに僕らは生きづらくなっている。
 ノイズのない、異形が排除された姿としての「美しさ」は、僕はいらないし、そんな窮屈な世界は嫌だ。これからも僕は徹底的に〈ノイズ〉を養護しよう。陽気に軽やかに。そう想った。

岡田斗司夫氏の新刊もいい。おすすめ。

「世界征服」は可能か
(ちくまプリマー新書) 岡田斗司夫

Technorati Tags: ,

Recent Trackbacks