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2011.03.20

震災から一週間たった…:「日本の原発についてのお知らせ」のこと。

震災から1週間たった。内幸町の勤務先のビルの窓ガラスが割れたとき、これはエライことになると …思ったが、エライことは、窓ガラスが割れるくらいのことで、幸いにもおおきな被害には遭わずにすんだ。

しかし、当初わからなかった地震の被害が徐々に明らかになっていくにつれ、今回の震災がいかに大きいものだったか、いかに多くの人を巻き込む大災害であったか、かさねて原発事故が現在進行形で被害を大きくする様をみて、本当にエライことが起こったことを実感している。そして言葉にできない不安に様々敏感になっている。直接的な被害を幸いにも受けなかった私さえこのような状況なのだから被災地の方々の心情を察するといたたまれない。

余震は相変わらず続いているが、一週間たって世間の一番の関心事は、地震によって機能不全に陥った福島原発のことらしい。スリーマイル島の事故に匹敵するレベルで、事態はそれほど楽観できない状況だ。その中で、そうした不安を煽るような報道やデマがTwitterや様々なメディアから発信されている。チェルノブイリ以上の大惨事につながるに違いないとか、東京でも人体に影響が出るかもしれない、政府は何かを隠している所謂、陰謀論、etc..。公式発表やリアルタイムの記者会見は検討はずれな質問と説明も慎重になるあまりか、いまひとつ伝わりにくくて、疑���暗鬼を生む原因になっているように思う。

日本の原発についてのお知らせ;英国大使館」という、ポールさんという方が書いた英国大使館の会見メモをトム・ヴィンセントさんが和訳した記事をFaceBookで見たのは3日前のこと。

日本の原発事故に関しての現時点での英国の原子力専門家の状況判断報告で、最悪のことが起こったとして、30キロ圏外におおきな健康上の被害が及ぶとは考えにくいこと、チェルノブイリとの違い、政府からの放射能レベルに関しての情報は的確と判断されていることなどなど、最悪のケースで考えられること、現状で推測する危険のレベルなど、自分が知りたかった内容が的確に簡潔に伝わりやすい言葉で書かれていた。自分が得た情報、知識と比べても間違いはたぶんないだろうと、僕の中の不安が少し小さくなった気がした。(4日たった現時点で検証しても、ここで言われていることは間違いはない。信頼すべき情報だと考えて良いと思う。)

こうしたテキストはこういう状況だからFaceBookという閉じられた空間よりももっとオープンに伝えたい。トムさんその旨を書いてinvitationを送ったところ、すぐにトムさんから多くの人に伝えて欲しいとメッセージが返ってきた。ありがたかった。

最初はこの場、いつものブログにと思ったが、リブログなどでより多くの人に拡散することを考えてTumblrを使った。徳力さんが実に的確なコメント付きで真っ先にTwitterで取り上げてくれるなどして、多くの方の目に触れることができたようだ。ブックマークもリブログもいいねボタンもたくさんいただいた(AMNの東北地方太平洋冲地震まとめサイトでみると現時点で19000近くshareされている模様)。このテキストには伝わる力があった。

書き添えられる一言で一番多いのは「安心した」という言葉だった。僕と同じように得たいのしれない不安を抱く人がこの専門家の受け答えを読んで安心したということ。みんな不安なんだ。

それにしても、センセーショナルなタイトルとか糾弾とか陰謀論とか、不安を煽るようなことは、本当にもう止めにして欲しい。専門家による的確で僕らの疑問にきちんと答えてくれる説明と理解を深める解説。無用なパニックを避ける意味でも日本の側からこうした説明や報道がきちんとされることを願っている。

日常を取り戻すには今少し時間はかかりそうだ。長丁場になるだろう。 慌てず、騒がず。できることをできるだけやる。無理はしない。専門家の意見を聞いて自ら判断する。当たり前のことを粛々とすすめる。そうしよう。

そして、被災地の一日も早い復旧と心の平安を取り戻すこと、原発事故が、これ以上、被害拡大しないことをただただ祈る。祈る。

cf.
  • ほぼ日刊イトイ新聞-ダーリンコラム
  • Togetter - 「torii_h氏による英大使館会見邦訳まとめ。」
  • 新聞の「英外務省が東京の英国民に退避検討勧告」記事は限りなくデマに近い | 佐々木俊尚公式サイト
  • 福島原発の放射能を理解する:アメリカのBen Monreal教授の非常に良い解説
  • Posted from dPad on my iPad

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