朝、出がけにちょっとした口論をしてしまった、残業のない水曜日。
なんとなく、早く帰りたくなくて映画を観にいく。「ぐるりのこと。」。
すばらしかった。
翔子とカナオ夫婦の物語。法廷画家のカナオが関わる1993年から2001年までの様々な事件が挿入される。ほのぼぼとした幸せが徐々に崩れていく過程、そこから立ちなおっていく再生の軌跡を時代の背景とともに丹念に描く。2時間20分という長さを感じさせない展開、物語作りのうまさ、映像美….。
何があっても一緒に生きる。…つたわる。
リリーフランキーと木村多江が最高。特にリリーフランキーの演技に驚いた。自然にカナオを演じている。見事。夫婦のあり方から、生きる意味のようなこと、幸せであるために何ができるのか…いろんなことを考えさせられた。
最後の場面、窓の外から行き交う人を見ながらカナオが「人、人、人…」と呟く。
そこに希望がある。そんなふうに聞こえて、いつもは���わないプログラムを読みつつ、裏表紙、金屏風の二人の写真に思わず涙がでて、口論をした相手を想いながら、家に帰った。
今年みた映画のなかでは絶対に一番。大切な人と一緒に見るといいかも。おすすめ。
【追記】金曜日はレディースデーで、周りには女性ばかりでした。当日はそのためか行列ができていて、その様子を写真にとる方がいたので、なにかなと思っていたら、どうも関係者の方のようでした。;)