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2007.09.13

はたらくおじさんはおもしろい:Sony Dealer Convention 2007

昨日は勤務先にお休みをいただいて、Sony Dealer Convention 2007にブロガーとして参加

全体をざっと見て、その後にセミナー。正直いうと、セミナーはパスしようかと思ったんだけど出てみたら...。出て好かった。特に2つのヘッドフォン(スピーカー)のセミナー(と言うよりも参加者との対話会のような感じ)がよかった。実にいい。製品がいいというよりも、それを紹介する技術者の方々がいい。とってもいい。惚れた。;)

はたらくおじさん
この製品を愛するおじさんが2人。山岸さん(左)と松尾さん(右)

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 最初のはたらくおじさんはパーソナルフィードスピーカー「PFR-V1」の開発者、スピーカー音響設計担当の山岸さん。このヘッドフォンいやスピーカー、とっても奇妙な形をしている。一見、ヘッドフォン。まさに頭に装着するのだからヘッドフォンなんだけど、耳の前でスピーカーを鳴らすというスタイル。そういう意味でスピーカー。パーソナルフィールドスピーカーと呼ぶそうだ。

 このスピーカーを耳の前に置くという着想自体は、昔からあったのだが低音を出すには大きさが必要で、装着ができなくなってしまう...そういう理由で製品化は不可能とされていた。それを可能にする発想に出会ったのが2年前の11月。

 一本のストローがブレークスルーを起こす

Imgp2327 ダストをつけると低音が出るはず...思いつきを実行に移した。自販機から持ってきたストローをスピーカーに刺してみたら...低音が出た。そこから試行錯誤が始まる。

Imgp2323 鉄の100倍のコストがかかるパーメンジュールという素材を試作で使ったら、高いけれども、良い音を聞いたら後戻りできなくなったとか、その過程を山岸さんの軽妙なプレゼンで僕らが追体験。試作品をいくつか見せてもらう。手作り。夏休みの宿題のよう。様々な工夫が詰まっている。これはほんとにおもしろかった。素材、装着方法、こだわり。実に楽しく語る山岸さんのお話に引き込まれていった。

 取説に書けなかったこのスピーカーの装着方法を説明する山岸さん。「まず重さを頭と耳の上の部分で装着する、これで重さを支える、その後で、耳の中の部分のスピーカーを圧迫感のない位置に調整していただきたい。これが、いままでいろんなところで言えなかったところで、説明できていないところですね」

 自ら開発した製品の最適な装着方法に関して伝えようとする山岸さんのあたたかな眼差し。伝えたいという気持ち、製品への愛を感じた一コマ。いいな。音もいいです。究極の点音源再生装置。素直で伸びがある。納得。

 次はMDR-EX700SLというSonyのヘッドフォンの最上位モデルを説明していただいた、5代目耳型職人こと松尾さん(写真右)。はたらくおじさんというよりもはたらくイケメンって感じだけれども...w。

Mdr-Ex700Sl 最上位モデルらしい重厚な仕上がり。様々な人の耳を想定し7種類のイヤーピースが用意されている。このモデルを作るにあたって使われた耳型を見せていただいた。
Imgp2305 Imgp2335Imgp2342
 こんな感じだ。2種類の素材を組み合わせたイヤピース、実際に装着すると確かに耳になじむ。もちろん音の再生部分にもこだわりがある。駆動部を筐体と一体化させた新しい形態。筐体ごとに微調整を行うことが可能になったそうだ。実際に音を聞くとその凄さがわかる。松尾さんが、この音源で聞くとよいと言われて渡していただいたCDはヒップホップ!。聴くとベースラインが体をまさに揺らす感覚。耳で鳴っているのに、体が揺れる。これは凄い。最上位モデルの意味を体感した瞬間。MDR-EX90SLで指摘されていた音漏れも密閉性を高めるというこだわりで、それほど気にならない。

 2つの製品、両方欲しくなった。ただ、僕には高いのだ。宝の持ち腐れになるかもしれないし、でも欲しい。欲しい。うーん、ONEDARIしたい!(...そうだ、ONEDARI BOYS おめでとう

 彼ら2人のお話を聞くまでは、正直、そんな気持ちは持たなかったけれど、実際のお話を聞いたことで、興味がわいた。欲しくなった。技術者が語ること、愛をもった人がものを語る。それを聴くことはとても楽しい。自分もその当事者になる感じ。
 ブロガーやクチコミには良質な物語と人に伝えたくなる何かがないとだめ。彼らはそれを持っていた。技術者とか研究者とか、凡人な僕らと、ちょっと違う人たちはとってもおもしろい。本当は人それぞれ、おもしろい何かを必ず持っているんだろうけどね。技術とか研究とか非日常的要素が、そのおもしろさを引き出すトリガになっているんだろうな。

 今回、僕はそんなおもしろさを伝える役として、ブロガーとして参加した訳だけれども、何となく思ったのは、SONYに限らず、もっと技術者、もの作りをしている人をもっと前面に出したPRもあっていいのではないかということ。企業や製品のシンパを作る、増やす。もの作りの当事者、はたらくおじさん、技術者がユーザとコミュニケーションする場、機会を作ることって、そのためにとっても有効なことじゃないかって思った。難しい局面は様々あるのだろうけど...。

 はたらくおじさんは、おもしろい。

 Rollyもほかの新製品もすばらしかったけど、昨日、一番記憶に残ったのは、お二人の楽しく語る姿だった。またこのような機会があれば是非、参加したい。こうした機会を設けていただいた方々に感謝。Thanx!

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