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2003.11.08

労働時間をお金で売ること...「マルクスの亡霊」

勤務先でも、最近よく耳にするのだけれど...「年間労働時間短縮に向けた取り組み」。健康!のためにできる限り残業は短くして、働いた分はきちんと支払おうという、非常にまっとうに聞こえる施策。でも、この話を聞くたびに、何となく違和感を感じていた。この方の記事を読んで、ああそうか、この違和感は「マルクスの亡霊」なんだってことが、わかった。「労働時間をお金で売る」ことへの違和感。
Cyber Retreat (part 2) / マルクスの亡霊

 そもそも、ナレッジワーカーの労働の対価が、オフィスにいる時 間だけで支払われているという状況は何とも不合理なシステムに思 えてなりません。ナレッジワーカーにも労働時間という概念が使わ れていることがおかしいのだろうと考えるのですがどんなものでし ょうか。

まったく別の文脈で、違和感を感じている?方がいた。
CNET Japan - 江島健太郎 / Kenn's Clairvoyance:サーバにイノベーションのジレンマは起きているか(4)

そもそも、人月単価が見積りの基準になるという業界慣習そのものがベンダーとユーザの間で利益相反を起こしていないか?このモデルでは、ベンダーは売上をかせぐためには期間を長くとるか、人数を多く投入するしかない。ユーザは短い期間で効率よく仕事をしてくれることに対して高い満足度を示すのだが、それと真っ向から対立する価格構造になっている。つまり、ベンダーの立場からすれば生産性の高いツールを使ったり能力の高い人材を投入すると工期が短くなってしまう(かといって能力の高い人材に対して高い単価をつけるのは容易ではない)ため、収益が減ってしまうというおかしなジレンマを抱えているのだ。こんなバカなことがあっていいのだろうか?誰が見ても明らかに矛盾した業界構造が、このまま改革もなされず永遠に続くと信じられるだろうか?

まさにITベンダーにとって「労働時間をお金で売る」ことはジレンマ以外のなにものでもない...。で、そこは間違いなく破壊されていく「ルール」なんだな。

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