ISPというビジネス
もうずいぶん古い記事になってしまったんだけど...
山岸広太郎さんのBLOGからの引用。
ニフティの今年のセールスポイントは「セキュリティ」だが、これがニフティのターゲットとするマスユーザーにどの程度訴求するのか。実際は、既存客に「うちもブロードバンドやっているんですよ」と思い出してもらう材料程度にしかならないと思う。今日の発表会でも何度も「Yahoo! BBみたいな街頭SPはやらないんですか」という質問が出ていたが、消費者からみればどのADSLも同じように見えるわけで、商品で差別化しようとしてももう無理。「セキュリティ」もそれがインセンティブになるほどわかりやすいかと言われるとちょっと疑問。ピンクのクマと黒人が「サンカゲツムリョー」と言っているほうがまだ魅力的か。多少強引でもYahoo! BBみたいに売るしかシェアを延ばす方法は無いと思う。
しかし、この構造が続くとISPビジネスはこの先どうなるんだろう。米国では過剰投資がひびいて、ISPがバタバタ倒れたが、日本では過剰価格競争と過剰SPで、結局最後はNTTが全部救済なんてオチにならなければいいが。そう考えると、「もうついていけません」と割り切ったニフティは賢い選択かもしれない。
日本におけるインターネット接続事業は、アーリーマジョリティからレイトマジョリティへ対象が移行しつつあるようだ。価格重視(実はもはやそんなに差はないよね)というよりすでにブランドとかオールインワン、簡便さをより重視する層(いわゆる保守派という人たち)への移行が始まりつつあると言う感じ。Niftyがもうついていけないと判断したかどうかはわからないけれど、保守派への切り込みはとかく金がかかるので...ある意味、良い選択かもなぁ。
でも早晩、接続事業だけではやっていけないのは、どの事業者も同じで、買収とか寡占化が進むか、接続事業だけでない次の一手を考えるということなんだろうか。
ISPの次の一手は...コンテンツ売りとかではきっとなくて、ネットの居場所というかネット上のプレゼンスを提供するサービス、プレゼンス・プロバイダになることなんじゃないだろうかって、ぼんやりと考えているのだけれど...さて。
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